宇宙品質汎用OBC開発プロジェクトについて

この記事CanSatチームFUSiONのアドベントカレンダー2023,2日目(12月4日)の記事です.

 

みなさん、こんにちは!

昨日に続いて2日目のアドカレを担当するFUSiON PMのSeigamaです。

 

seigama.hatenablog.com

↑昨日の記事です。

 

今日のお題は昨日最後にも伝えた通り、FUSiONで現在進行している宇宙品質汎用OBCを作ろうというプロジェクトについてお話ししたいと思います。

みなさん、寒い時期ですが風邪をひかないように温まりながらこの文章を読んでくださいね!

 

1.OBC開発プロジェクトの概要

私たちが現在作っているOBCはCanSat・CubeSat両方で使用できるようなOBCを目指しています。CanSatで使用できるというのは、これから宇宙開発の界隈に踏み込んでくる人々でも使いやすいようなOBCであり、各種CanSat大会のレギュレーションに適合するようなOBCであること.CubeSatで使用できるというのは、1~3U衛星のC&DHおよび1~6U衛星のAOCSを務められるスペックであり、宇宙環境(LEOを想定)での運用に耐えることができるOBCであることと定義しました。

私たちはこのOBCを開発しながら以下の2つのCanSatの大会に出場します。

まずは2024年3月実施予定の種子島ロケットコンテスト、ここではOBCのハードウェアまわりを確定させることをOBC側の目標とし、CanSatとしてもARLISSに向けてバス部(0mゴールする上で必要になる部分)の完成を目指します。

そして同年9月実施予定のARLISS、ここではCubeSatで利用する際と全く同じハードウェアであり、ソフトウェアについても同じフレームワークで動作するようにします。

以上の大会を通してOBCの完成へ近づきたいと思っています。

 

2.宇宙仕様ってどういうこと?

宇宙仕様というのは上でもちょっと触れましたが宇宙環境でも耐えられるようなものということを意味してします。

では具体的になにをもって宇宙環境でも耐えられることを示そうとしているのかについてですが、主に以下の2点が中心となります。

  • 環境試験の実施
  • JAXAの設計標準に基づいた設計

環境試験については、現在必要な試験とそうでない試験を分けて、なぜその試験は必要なのか(またなぜその試験は必要ないのか)という裏付けを行っている段階です。その後、具体的な試験実施日や場所を決めるという流れで開発を進めています。

またJAXAの設計標準に基づいた設計というところですが、JAXAの設計標準は本当によくまとめられており、とても参考になる資料になっています。こちらを参考にすることで実衛星の電装への制約などを確認しています。

 

3.なぜOBC開発をしようと思ったのか

きっかけは軽い気持ちで衛星のOBCを作りたいなというところから始まったのですが、CanSat界隈とCubeSat界隈の技術的なギャップや実際のフライト品に触れる学生が少ないという現状を耳にし、その問題解決としてこのプロジェクトを進めていこうと思いました。

本プロジェクトには"この開発を通して学生宇宙開発のロールモデルとなりたい"という開発ポリシーがあります。さらにその大きなポリシーのもと以下の3つの目標を立てています。

  • 学生団体として宇宙品質のOBCを作ることで学生宇宙開発界隈全体を盛り上げたい
  • このOBCの成果物や開発過程をオープンソースにして教育などでも利用して欲しい
  • 他のコンポーネントも自作し、ゆくゆくは衛星全体を作りたい

偉そうなことを書いていますが、本当にメンバー全員この心意気で開発してます。ぜひその過程などもリアルタイムで更新し(というかアドカレもその一環でやってます)、学生の宇宙開発も盛り上げていきたいなと思っています。

 

4.このOBC製作活動を通したFUSiONの将来について

上でも述べた通りOBCの開発が一通り終わったら、FUSiONとしてもEPSなどの他コンポーネントの作製を続けて行い、最終的には衛星全体の開発に挑戦していきたいと思っています。ぜひこの活動に共感して応援していただければと思います。

 

以上、PMによる本プロジェクトについての説明でした!概要的な話は今日で終わって明日からはいよいよ各メンバーによる技術的なお話になります!

乞うご期待!