基板設計のあれこれ〜ノイズと戦う基板の作り方〜
この記事はCanSatチームFUSiONのアドベントカレンダー202315日目(12月17日)の記事です.
こんにちは!Seigamaです。2週間ぶりの私のターンということでみなさん私のことを忘れてないですかね...
ところで、最近急に寒くなりましたね...今日の最高気温は6℃と聞いてびっくりしております。そろそろお鍋が恋しい時期となりましたが、お鍋といったら基板製作。そうです基板をいっぱい作りたく時期がやってきました。
ということで本日は基板のあれこれを書いていきたいと思います!(強引な誘導)
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基板と基盤、どうでも良くない間違え方
今回は基板のノイズ対策を中心にお話ししたいと思っていますが、その前にまずは基板と基盤を間違えないようにという注意書きです。
みなさんがよく見る緑の厚さ1.6mmぐらいのペチペチした板、あれが基板です。みんな間違えがちなこの二文字、間違えるだけで色々と信用がなくなります。文章を読んでいてもこの誤字を見てしまうと萎えてしまうのです...(これは自分だけかな?)
では本題
どんな誤字もそうですけど文章の信頼性にも関わってくるので、本当にこの誤字は気をつけてください。といいながらこの先の文章で誤字をしたらお恥ずかしいですが、いち素人のブログだと思ってゆるく見てください🙇 -
恐怖!ノイズと戦う基板設計
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ノイズって何?
そもそもノイズってなに?というお話しですが、ここでいうノイズとは不要な信号であったり、電磁波の不要な輻射や電源電圧の揺れなど幅広いものが当てはまります。このノイズの影響で信号線に影響を与え誤動作を生じさせてしまったり、場合によっては故障させてしまうこともあるのです。
私も衛星のアナログ回路を設計しててこのノイズには苦しめられました...というのもノイズによって取得したアナログデータがちょっと変動してしまいます。0.01%のオーダーで正しい値を取得したかったのでこの誤差は取得結果に結構響いてきます。そんなこんなでノイズ対策の重要性を痛感したわけです...
以下では簡単にですが私がノイズ対策のために気をつけていることを書いています。もちろん下で書くこと以外にもいっぱいあるのですが、特に気をつけている初歩的なところから書いていきます。 -
配線時に気をつけること
まずはパターンを引くときに気をつけないといけないことを説明します。
最初はパターン幅から。銅箔厚35μmの基板では電流1Aに対してパターン幅1mm以上という原則があります。これは一般的な環境下でのルールですが、基本的にはこのルールに従う形でOKだと思います。特にニクロム線とかモーターとか比較的大きめの電流が流れるところは注意してください。
次に直角の配線はやめましょう。直角部分は直線部分に比べてパターンの幅が大きくなってしまうため特性インピーダンスが変化しノイズが生じてしまいます。一部直角になるのが仕方ない場合があったとしてもなるべく直角はなくしてください。配線を45度などで2回曲げれば対策になります。
最後に、気を付けて欲しいのは同じ層や隣あった層で信号線を平行に引かないということです。平行に引いてた方がカッコよく見えるのは事実です。しかし,信号線を平行に引いてしまうとクロストーク(ある信号線が他の信号線に影響を与えてしまう現象)が生じてしまいます。そのため同じ層の場合は2つの信号線を離し,隣り合う層の場合は垂直に交差するようにパターンを引くとクロストークを防げます。ただし、差動ペアの信号については平行に配線してください。ノイズの加わる条件を揃える必要があります。ここはたまに自分も忘れて後でファっとなります。↑ダメなパターン
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GNDベタは正しく使おう
みなさんGNDベタをなんとなくで張っていませんか?GNDベタは便利で必須な機能である一方で、一歩間違えるとノイズの要因になってしまって逆に悪影響を与えてしまう恐れがあります。では具体的に何に気をつければ良いのでしょうか。
まずはパターン間などでGNDベタが分断されてしまうと、リターンパスを確保できずノイズが発生しやすくなります。そのため、ノイズを特に気にしなければならない回路を考えるとき、リターンパスが確保できるように設計を心がけてください。
また、この話題に関係するところですが、ビア間のクリアランスがなく、電流が迂回してしまうこともノイズの要因となってしまいます。そのため、ビアとビアとの感覚を十分にあけ、迂回せずに直接電流が流れるようにするとノイズを抑えることができるようになります。
この他、GNDのベタがノイズのアンテナとなってしまう可能性もあるのでそこも注意しないといけません細長いベタが存在する場合は、ビアを打つかベタを抜くなどしてGNDベタがアンテナとして機能しないように気を付けましょう。 -
パスコンの置き方
また、パスコンも正しい配置をしないと意味を持たなくなってしまいます。まず、パスコンを置くときはICの近くに配置しましょう。電源ピンに近ければ近いほど効果が高くなるのでなるべく近傍に置くように心がけてください。また、パスコンを必ず通るように電源の配線を通してください。
次に気をつけないといけないのはパスコンを置く順番です。ICに近い方から小さい順にパスコンを並べなければなりません。ここで順番を間違えてしまうと、その分のノイズの除去の効果は期待できなくなってしまいます。
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最後に
ということで今回はノイズ対策で気をつけることを簡単に列挙しました。この記事に関しては書ききれていないことも多いのでノイズ対策についてはもっと細かく更新していこうと思っています。今日は体力が尽きたのでまた近いうちに更新します...ではまた